日本ではあまり知られていないファンドですが、2020年度は運用成績がすごいことになっていたファンド。今回はこのファンドをEIBから買った話です。ISINがあれば、買えます!
1、Ballie Gilford Long term global Growthとは?
長ったらしい名前のこのファンドですが、結構な成績を出していて有名ファンドです。どんなファンドかというと、ロング専門のアクティブファンド。2014年開始のClass Kはこんな感じ。7年間で5倍以上。特にコロナあけは3倍(これ長期向けなのか、本当に?)。ベンチマークを比較してもなかなかですね。

結構有名なファンドらしく、2020年間ランキングでも4位(1位は同じファンドのアメリカ株)。
今回このファンドに目をつけた経緯ですが、ある日、全然運用がうまくいかないファンド群を見ながら、googleで、、、
"2020 best performance fund"
で調べたら、見つけたました(こちらのサイトでは2020年は3位)。wikipediaによると、この会社は100年以上続く会社らしく、もともとは法律事務所でパートナー経営とのこと。いくつかのファンド群がありますが、興味深いことにアメリカ、グロース、産業別のほかに、日本株専門のファンドも複数あります。
この時点で、よし、「このファンドを買おう」と決意。
2、どのファンドをかうか
結論から言うと、目を付けたのはBaillie Gifford Long Term Global Growth Investment Fund - Class B Shares という奴です。
ISINはGB00BD5Z0Z54です(ISINは後で重要になるのでまた)。
手始めにBaillie GiffordのHPを見てみたんだけど、一般向けにも売っている感じはします。

ただし、ISINが見当たらない。
Ticker(証券コード)はあるので、どこかに上場しているのかとおもって、検索してみるとMorning starから下記の情報が。ありゃ、最低投資は10MMUSDですか。。。BGLKXとティッカーがあるので、どこかに上場しているのかとおもったけど、NASDAQやHYSEには出てこないので株式ではなく、やっぱりファンドなんですね。

そこでやったのが、ファンド名 + ISINの検索です。これ、私の必殺技です。Financial timesのページが出てきた。

出てきたのはこのファンド。確かにISINはある。ただ、通貨がポンド(GPB)になりました。最低投資額は1000GPB。

ちなみにファンド名を検索窓に入れてみると、同じファンドの違う通貨建てのシリーズが一杯でてきました。全部で22個。

黄色のシリーズは、Long term Global Growthということで、目星をつけているファンドです。このうち、Fund B Accを選びます。
ポイント
ちなみにIncとAccの違いはざっくりいうと分配金があるかないかですね。INCの方が分配があって、その分リターンは下がります。INCとACCの比較は下記、ファンド自体は同じものを参照していて、income treatmentが違うだけみたいです。手数料も年0.64%と同じ。


一方、緑の”World wide”と名前がついているものもあります。この違いは、黄色のファンドはアメリカが対象で、緑のファンド(World wide)は世界分散なのかとおもったけど、そうでもないよう。投資先をみるとどちらのシリーズも半分以上はアメリカ(比率も同じ)。

Class BとClass Cの違いは機関投資家向けか、個人投資家向けということみたいです。Class Cは250kGPB以上、ただ、手数料がNIL(無し)になっています。

ちなみに購入した後のファンドの資料を見ると、ベンチマーク(FTSE All world index)にプラス2.5%の収益を目指すと書いていますね。アクティブファンドですから、それくらいの目標は掲げてほしいと思う一方、この手数料の安さはインデックスに近い規模ですね。

まとめると
- ファンド名:Baillie Gifford Long Term Global Growth Investment Fund B Inc
- ISIN:GB00BD5Z1070:GBP
- 買い付け手数料:ゼロ
- 年間手数料:0.62%
- 最低保持期間:なし。
- 最低投資額:1000GBP
という条件、アクティブファンドなのに手数料が低いのがいいですね。
3、ISINとは
先ほどちょっと触れたISINはInternational Securities Identification Numberです。
下記の東証の説明にあるように、株式やファンドであれば必ずもっている番号です(世界共通)。
今回みたいにファンドだけではなく、株式も当然あって、トヨタは下記。

これがあれば、海外の証券会社に注文出すときも「トヨタ」っていわずに、「JP363400001」と伝えればいいわけですね。
ちなみにこの番号は私募債やクローズドなヘッジファンドにはありません。こういう商品は内輪で募集しているので、一般ピープルは買えませんからね。この番号持っている必要ないわけです。
ということは逆に言えば、この番号があれば海外の金融商品でも買えるはずです。一般人にも募集して、証券会社で買えるから、番号があると言えるわけです。
ポイント
ただし、日本の証券口座では、たいていの外国株式は買えますが、ファンドは買えないことが多いです(残念)。
4、ちなみに日本でも買える
ちなみに日本でもこのファンド買えます!(日本語ではベイリー・ギフォードと読むらしい)。
愛称はロイヤルマイル。
どうでもいいですが、この、愛称付けるのって楽しそうな仕事ですね。自分が好きなのは農林中金の「おおぶね」というファンド。成績イイです、けどそうじゃなかったら、泥船と呼ばれること間違いなしで、それでも担当者はこの名に決めたのでしょう。
このファンド、2020年にモーニングスター(日本版)で国際株式で最優秀ファンドとなっているそう。

この日本版は三菱UFJ国際投信が運用会社となっています。SBIとか証券会社から買えます。

分配金無し、有りとあるんだけど、無しの方の運用成績は以下の通り。21年11月時点で28,746円(287%)

すごくいいんです!そりゃ、最優秀に輝くでしょう。このファンドを日本向けに販売した三菱UFJ、good jobです。
ただし、やっぱり以下のようなデメリットがあります。
販売手数料はゼロ(インターネット)だけど、年間手数料は1.664%。
そもそも、このファンドはベイリーギフォードのWorld wide Long term(ISIN:IE00BYQG5606)に投資していますが(私はWorld wideじゃない方を買った)、こちらを直接買うと、0.67%です。スキームは以下の通り(販売向け資料から)。

で、ファンドの案内の中の手数料部分をみると、まず、委託会社への手数料が増えています(0.67%>0.795%)。
それに加えて、販売会社、委託会社当もろもろ魑魅魍魎が加わって、仕上がりは年間1.644%となります。そりゃ、わざわざ海外から持ってきて、日本人向けに販売しているわけですからね、その手数料はしっかりと取るわけです。おそらく、日本の金融庁のレギュレーション等に会う形に商品、案内書、定期的な報告業務を日本語で提供しているわけですから、そりゃ、コストは増えます。

ちなみにこの日本向けのファンドは2019年2月に設定された上記ファンドですが、元ファンドIE00BYQG5606の成績を比較すると、
- ロイヤルマイル:287%
- ワードるロングターム:303%
3年で15%の乖離となっていますが、年間手数料が1%違うので、まぁ、それくらい差が付きそうです。
どちらを買うべきかは考えてみてください(それでもこれだけ良い成績なら、投資しておけばウハウハです)。
ポイント
ちなみに自分はEIB、Custodian lifeという証券口座を通して買ったわけです。が、これ年間の手数料として1%強かかります。そうすると結局一緒ですね。。。
5、まとめ Long termで考えよう。
ということで、ISINさえあれば、海外の証券口座を使ってほとんどの商品は買えます!
先に紹介したEIBだと、仲介会社がセレクトしたファンドから投資を商品を選ぶ人が多いんですが、結構選択肢が少ないです。なので、海外で人気のファンドを選択肢にして、そこからISINを見つけるのも手ですが。
ちなみにこのファンドですが、今の成績気になりますよね?下記を見てください。このページの最初に出したスクショと同じですが、一番右に2021 reruntとOveralll 2021 rankというのが加わっています。このテーブル自体は「2020年のトップ25のファンドの成績」は今(2021年7月)はどうなっている?という事を示しているのですが、そりゃ、2年連続で良い成績ってのはまれですね。期待しすぎないようにしましょう(なんせlong termのはずなので。詳しい記事はこちら)。

今回のまとめ
- 海外の証券口座を持っていれば、ISINさえあればファンドが買える。
- 必殺技の"ファンド名 + ISIN"で検索してみましょう。