家を買おうと探していたところ、イイ感じの中古マンションを見つけました。築20年。見た目は綺麗、でも、本当に大丈夫?
そこで効果があると聞いていた、ホームインスペクション(以下"HI")をお金を払ってやってもらいました。総額9万円弱のインスペクション、果たして効果はあったのか?というのが今回のお話し。
1、ホームインスペクションをやろうと思ったのか
ホームインスペクションをやろうと思ったきっかけは二つです。
- 欲しい物件が中古のマンション、築20年超えであった。
- 家探しをしているときに読んだ本で、どれもホームインスペクションをやれと言っていた。というか必須の勢い。
今回、中古のマンションに絞って本を5冊くらい読んだのですが、どれもホームインスペクションについて触れてました。
どの本にも書いてあったことを要約すると、、、
一生に一度の買い物なのに、判断する時間がほとんどなく、中古の個人売買だと保証もなく、素人が即断しないといけない。そんなこと普通ないですよね?
と。確かにその通りですね。
ということで、プロに中古マンションに実際に行ってもらって、インスペクションをしてもらおうという事になりました。
2、必要なインスペクション、
HIができる業者は、いくつかありますね。下記がgoogle でホームインスペクションと調べた結果。google広告も入ってるし、なかなか熾烈な業界のようです。
自分も3,4社、メールと電話もしてみました。本などを前調べをしたところ、以下の2つを依頼することに決めていいました。
ハード面、部屋とその構造のチェック
まずは素人のような自分でもおもいつくような、部屋のハード面のチェックです。
例えば部屋の傾き、水回り、外壁のいたみ、窓やサッシの建付け等々。それに加えて、構造や壁の劣化とかです。正直、他にも色々と見るべきところはあるんでしょうが、素人の自分ではわかりません。
一度内覧し、部屋がキレイなのは確認しているんです。なので、自分の思いとしては値段交渉や荒捜しに使うためではなく、素人がわからない致命的なところが無いかをチェックしてほしいと思ってました。
ソフト面、長期修繕計画と管理規則ついて
「マンションは管理を買え」とよく聞きますよね。
特に今回の物件は20年近くたっているので、躯体よりもこっちの方が心配でした。検討していたマンションは部屋数が少なめで(<30部屋以下)、かつ意中の部屋は一番でかいので、将来的に修繕費が上がるともろに影響を受けるわけです。それと管理規則が問題ないかどうか。
この点について客観的な評価をして、今の修繕費が妥当なのか?溜まっている修繕費で今後の数十年間大丈夫なのか?を見てもらおうと思いました。どうやってやるのかわからないけど、何かかノウハウがあるんでしょう。
特に今回、売り主さんからもらった重要事項説明書に気になるところがありました。修繕費の滞納があったのです。合計169万円あったので、数年滞納しているように見えました(後で滞納は一部屋のみと判明)。全体への影響があるのか、これくらいの金額は普通なのか、この点も専門家の意見が欲しく。
このマンション管理も見てもらおうと思ったところ、案外、これをやっている業者が無い。。。何件か電話したのですが。
ポイント
ホームインスペクションの利用が多いのは戸建てのようで、マンションはそもそも少ないようです。管理インスペクションはマンションだけですので、おのずとこれをサービスとして行っている会社は少ないようです。
3、どこに依頼したのか?
結果的に依頼したのは業界最大手のさくら事務所でした。どうやら、登録制で診断士を全国に抱えていて、条件の合う人を派遣する仕組みです。HIをする際のノウハウ、フォーマット(チェック項目とか)は会社として持っていて、一人一人の診断士の品質を保証をしているようです。
他のところもハード面(部屋、建物)のHIはやっていて、だいたい値段は同じくらいでした。ただし、「マンション管理についてもみてもらえませんか?」と電話で確認してみたのですが、「え、それ何のインスペクション?」という感じでやってませんでした。なので、消去法でさくら事務所となりました。
以下が、さくら事務所のHPからのサービスの抜粋です。
料金は、、、
- 部屋のインスペクション:60,500円(レポートオプション付き、11,000円込み)
- マンション管理インスペクション:27,500円
良い物件なので、内覧前から争奪戦になると思っていました。なので、内覧前にHIの業者とサービスについてはある程度目をつけておいていました。そうした状態で、最初に内覧をした日には購入を決意し、さっそく、問いあわせフォームからさくら事務所に日程の調整を依頼しました。
といっても、一つ重要な事があります。それは、、、
ホームインスペクションをやるには売り主の許可が必要です。さぁ、どうする?
4、実施タイミング、オーナーの了解は?
何を隠そう、自分はこの物件を内覧開始の2か月前から狙っていました。そして、内覧も一番乗りで、その日に購入を決めました。まさに、相思相愛の物件なのです。10年以上家探しをしてますが、値段もイイ感じで、かつ間取りが自分たちにとっては素晴らしかった。
この物件20年12月には公開されていたのですが、不動産会社に問い合わせるとコロナもあるし、翌年2月に売り主が引っ越するので、そこで内覧を受け入れたいとのことで、2か月待ちました。
何故、ホームインスペクションの実施タイミングが難しいのか?
今回、中古のマンションに絞ってかなりの本を読んだのですが、どこもホームインスペクションに触れてました。法的にも2018年4月から、重要事項説明でホームインスペクション行う選択肢があることを説明しないといけなくなっているそうです。
重要事項説明
契約の最終段階で行う、重要な項目の説明。売り主側の不動産会社が買主に行い、それを受けないと契約できない。通常、売買契約を払う段階で行う。
ここで、”選択「肢」があることを説明しないといけない”と、書いたのは、実際に”ホームインスペクションを実施が義務化された”、わけではないということです。
法律で決められたのは、ホームインスペクションという選択肢があることを売り主、買主に説明しないといけないということです(不動産屋さんが)。なので、以前よりは市民権が得られてはいますが、まだ不動産売買にとっても、売買手続きにとって必須ではないんですね。
さて、実際に内覧した日に部屋が想像とおり良かったので、その場で仲介業者(中野さん(仮名)、以下、中野っち)に、「買いたいです」と伝えたほどです。そして、買うならHIは必須だと思っていたので、HIを実施したいと中野っちに伝えました。ただ、ホームインスペクションの実施について本にはこうも書いてありました。
- 売り主はあら捜しをされると感じてHIを拒否する人もいる。
- 買主側の仲介業者(味方のはず)でも、早く売りたい場合は買主の意向を無視して、遠回しにしない方向に誘導される。
- HIやっている間に、他の客が契約しちゃう。
なので、恐る恐る中野っちにHIについて尋ねました。果たして、中野っちはこっち側の人間なのか?
(すごく買いたいという気持ちを抑えながら)検討しようと思うんですが、ホームインスペクションをかけたいんです。
そうですよねー(揉み手で)。
売り主さん嫌がらないですかね?
いえ、全然問題ないはずですよ!
中野っち!君はこっち側の人間だったんだね!
あれっ?と思うくらい拍子抜けでした(結果的に言うと、この不動産会社と中野っちはとてもいい人でした)。
そんで、どのタイミングでやるのかが問題になるわけです。これ、本では何パターンか書いてあったんですが、どの本もぼやかしてあって、よくわかりませんでした。本当にお前、やってる事例に関与したことあるのか?という感じ。
特に今回のような中古マンションの個人売買の場合、売り主としては何かあっても保障する必要が無いので(売り主が業者なら保証義務有)、買いたいという人に早く売った方が楽なわけです。それなのにホームインスペクションをわざわざ受け入れる必要はないわけですね(あら捜しをされる可能もあるわけで)。買主の自分としても、その辺は重々理解していたのですが、やはりプロの視点も欲しいわけで、どう切り出していいかわからなかったのです。
この時点での力関係は、
売り主>>>>買主(青うどん)
いくら自分が欲しくでも、誰に売るというのは売り主が決めます(笑)。不可抗力です。
で、結局、中野っちが示した戦略は以下のようになりました。
中野っちの戦略
- ホームインスペクションをかけて安心して購入するのは賛成です。売り主も理解してくれるはず。
- 売り主にHIを受け入れてもらうために、真剣さを示すために、”買い付け要望書”を出しましょう!
- そんで、そこにHIをやることを条件に購入を検討したいと書いて、向こうがOKしたらHIの業者を派遣します!
- おそらく買主はこのプロセスを2週間以内にやってくれとか圧力をかけてきます、「他にも買い付け希望がいる」と言ってくるかもしれませんが、それが本当が嘘かは関係なく、自分が十分な期間をとれるように交渉します!
なんだか筋は通ってる気がします。特に”買い付け証明書”(この家、1億円なら買いたい!手付金はいくら払う!という要望書)を出すというのはポイントだと思いました。売り主としても、冷やかしかわからない客に、HIなんてやらしたくありません。
また、こちらとしても、HIをやってもオーナーが自分が提示する金額を検討してくれていなかったら(例えば値引きは絶対しない、ローン条項認めない!とか)、HIの費用が無駄になります。
ということで、買い付け証明書出しました(テンプレは中野っちの不動産会社から)。
実際の流れで言うと以下の通りです。
- 2月23日
内覧日(火曜)に購入を決意。同時進行でホームインスペクションの業者に連絡する。 - 2月28日
内覧5日後(日曜)に買い付け要望書を提出、200万円引きでオファー。その際にホームインスペクションを条件と書く(上に載せた買い付け要望書)。 - 3月1日
オーナーから、100万円引きでどうかと回答がある。値段交渉は継続、ただ、ホームインスペクションはOKだと言われる。あわせて、インスペクションとその結果を見ての最終判断は5日以内にするよう言われる(かなりタイト!)。
その日のうちにさくら事務所に連絡、3月4日にHIを実施することに決定。不動産会社に連絡し、木曜の立ち合いを依頼。かつ、同時にマンション管理インスペクションに必要な以下の書類も依頼(管理規約・使用細則、重要事項調査報告書(管理会社が所有者に提出するもので直近のもの)長期修繕計画)。オーナーが求めている1週間で全部終わらすことは無理なので、2週間猶予をもらえるように中野っちが交渉してくれるとのこと。 - 3月2日
オーナーは事情を了解し、8日待ってもらえることに(3月9日まで)。4日のHI実施も了承。上記の3つの文書も受領。 - 3月4日
インスペクション実施。
5、さくら事務所との事前準備
さくら事務所からは日程についての電話がありました。あわせて、メールで事務局から下記のことを言われました。
- 水道、電気、ガスが通っていること。
- 平面図等の図面(不動産販売チラシでも可能)
- 管理人室で建設時の図面を確認するかもしれないので、管理人がいるかどうか、その旨伝えておいてほしい。
- 管理規約・使用細則
- 重要事項調査報告書(管理会社が各区分所有者に提出するもので直近のもの)
- 長期修繕計画
結果的にこれらは全部手に入れることができました(売り主側の仲介会社から貰いました)。一つだけミスがあったのですが。
その後、HIを実施してくれる方(住宅診断士)からも直接携帯に連絡があり、今回インスペクションをなんでしたいのかも聞かれました。おそらく私の返答次第で、HIの評価を、売り主側にとってハードにすることもできたのでしょうが、「値段交渉に使う気はないです」、「プロが見て致命的なところがないか確認してください」と伝えました。すると「気持ちよく、納得して購入したいわけですね」と言われました。ポイントをわかってらっしゃる。
既にグーグルマップのストリートビューでマンションの外観を確認したようで、「20年近くたつのに綺麗ですね」とコメントがありました。当日の待ち合わせ時間の確認を行う。
売り主に渡してくださいということで、HIの目的や、これはあら捜しではないですよというパンフも送られてきた。下記みたいなこと書いております。
私どもの理念は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代へ手渡すこと」です。
ホームインスペクションの目的は「物件のあら捜し」ではありません。購入者が住宅のコンディションを把握し、
安心、納得して契約できることを目指すものです。当日も、弊社ホームインスペクターより調査の趣旨や、調査
方法、確認範囲についてご説明差し上げます。疑問点などございましたらお気軽にお尋ねくださいませ。
何卒よろしくお願い申し上げます。
さくら事務所
6、ホームインスペクション当日
当日は朝九時にマンションへ集合。中野っちは鍵を開ける役目のため、と、「HIの見学をしたいです」ということで参加(HIに立ち会うのは初めてだそう)。
インスペクターは宮野っち(仮名です)。渡された名刺はさくら事務所の名刺だったが、個人でも普段何かしているんでしょう。
ポイント
一級建築士、普段は構造計算もしたり、耐震診断もしたりしているとのこと。現場の経験も長いのか、コミュ能力高そう。
さて、部屋に入ってまず最初に、当日の流れを確認。どこを見ますとか、どのくらい時間がかかりますとか。そういう話をしました。
自分は一時間くらい居て、宮野っちの後ろにつきまとってポイントを聞いた。
- ここはおそらくリフォームしていますね。ドアの色と外枠の色が違う。
- 部屋の状態は全然いいです。綺麗に使っていたんでしょう。カーペットの毛立ちからすることこれは直近で交換していますね。
- バルコニーは既に大規模修繕していますね。
- 床は二重床です。なんでわかるっかてですか?大学の時のバイトで施工してたんで、歩いただけでわかりますよ(笑)
- そうですね、リフォームは済んでからでいいと思います。住むと良いとこ、悪いとこもわかるので。
と色々とコメント。
通常だと完了までに1.5-2.5時間とのことだけど、100m2近い物件だったので終わるのは昼過ぎだろうとのこと。一旦家に戻り、12時くらいには終わるとのことで、そのころに電話をもらって、もう一度マンションで落ち合うことに。
あと、ガスが開通していなくて、床暖房と湯沸かし器のチェックができませんでした。そしたら、すぐに中野っちが東京ガスに電話して昼過ぎに開栓することに(そんな急にできるんだwしかも、お金は全部中野っちの会社が払ってくれた)。
12時ころ、宮野っちから電話があった。ほとんどHIは終了していたので結果を聞くことに。
良いところ。
- 全体的に綺麗。
- 床の傾き等も基準よりも低い6/1000が基準とのこと。
基本的に住む分にはほぼ問題ない。イイと。
- 細かいところ一杯、ただ、築20年近くなので正直気にしないレベル。
- 一部、水回りの床下とか、見ることができなかった。
ダメなところの例をあげると、以下のようです。
ダメなところ(続)
- 謎のシミ
ということで、致命的(構造的)なところは無かったのですが、一つだけ指摘がありました。HI後発行される、レポートから抜粋します。
これについては、たいしたことない可能性が9割、だけど、ひょっとしたら屋上からの水漏れの可能性もあるとのこと。売り主に昔からこの跡があったのかを確認すべきと強く言われました。ひょっとしたら、屋上から水漏れで、木の部分に来ている可能性もある一方、黒墨の上には画びょうの後もあり、何か額縁みたいなのが掛かっていていて、それの擦り跡ではないか?とのコメントも。
中野っちに、これの写真をしっかりとってもらって、売り主に質問してもらうことに。
宮野っちからは、それ以外にもいろいろ言われたけど、基本はOKでしょうと。「購入される決意、決まりましたか?」とまで聞かれた。心の中では「もうしていますよ。ありがとうございます。」と思っていました。
結局、ガス会社がガスを開栓してくれたのは1時半だったので、その時に床暖房や湯沸かし器の確認も行いました。問題なしということで、これでお仕舞い。9時からだと5時間連続ですね、予定時間の2倍でした。ありがとうございます。別れ際にお昼代ということで2千円包んで手渡ししようとしたんですが、こういうのは厳に慎むようにとさくら事務所から言われているようで、固辞されました。確かに中立でいないと不味い商売ですもんね。
アレってなったところ
せっかくなので、アレ?と思ったところも紹介します。
まずは、HIは万能ではないですね。中野っちの同僚で二級建築士の人が不動産会社にいたんですが、「物理的に見れる限界もあるので、全体の4割くらいしか見れないと思います」と、コメントをもらってました。たぶん、これ本当です。全部壊してならともかく、見れる範囲以外は限られています。床下、床上については下記の通りでした。
- キッチン下からの二重床→少しは見れた。
- 洗面所の下→カメラが入らない。
- 風呂の上のスペース→カメラも首も入った。
洗面所下がヤバいと聞いていたので、本当はここを見たかったんですが、まぁ、限界です。
それと、さくら事務所のHPには見るべきチェックリストのサンプルが載っています。それによると、今回は下記については触れていませんでした。
- 給水排水管
- エアコン設置可否、電気関係の容量、種類。
- 窓の断熱性能について
共用部のチェック(屋上、エレベーター)もしてくれるとのことだったんだけど、これについても一切無しでした。「屋上は管理組合の許可ないと入れないです」とコメントあり。ちょっと、アレ?となりました。
7、事後のレポート
さぁ、これでHIは無事終わって、買主と条件を詰めました。懸案の黒墨について、売り主に確認したところ、たばこのヤニなのではということになりました(前のオーナーが愛煙家)。これ、売り主が拭いたら、まぁまぁ取れたんです。雨の日の次の日に確認に行っても、変わりなかったので、ひとまず最悪の屋上からの水漏れではないことが確認できたのでよしとします。
マンション建物インスペクションレポート
実は宮野っちの別れ際に、本当に写真付きのレポート必要ですか?と聞かれました。
いえ、意図はわかるんです。時間をかけて、問題点を手とり足とり教えてくれたので、それで十分なんじゃないですか?ということでしょう。しかも、お金も11,000円追加でかかります。
けど、仕事柄こういうは記録で残しておくことは重要だと考えているのでお願いしました。レポートは4日後にメールで到着とのこと(4営業日ではなく、4日後、なかなかすごいですね)。実際にはメールで2日後に届きました。全40ページ、満足いく内容です。
マンション管理インスペクションレポート
もう一個の主役がこちらですね。これは事前に送っていた長期修繕プラン(20年先)と管理規則を送っているので、これからレポートを作成してもらいます。管理規則も、何か問題点もあったら教えてくれることになっています。特に聞きたかったのは、以下の点でした
- 当時の修繕金月額から大幅に現在の金額は上がっていますが、今後は値上がり予定がないようです(売り主からの情報)。これが妥当か。
- 現在160万円ほど未収金があるようです。これについては、延滞者に対して、管理規約上から何か具体的なアクションをとれるのでしょうか?
- リフォームするときの制限が何かあるか、特に窓の取り換えについて。
こちらについての審査は基本的に文書ベースでのチェックのみです。ただ、さくら事務所から管理組合が委託している管理会社に電話でいくつか確認したようです。こちらの納期は4日でした(急がせた)。ちなみにこちらは宮野っちはノータッチで、違う部門が担当しています。
回答
- やはり現状の管理費では15年後くらいには今ある管理組合の貯金がなくなるので、値上げは必須という回答でした。
- 国道交通省のガイドライン(管理費の相場)と比べても、現状の管理費は4000円/月くらい安め。
- 家賃滞納は現状の管理規則では、強制的に支払わせる手立てはないとのこと(管理規則の不備)
- 窓枠の変更等は個人でやって良いかが管理規則に明確に書いていない。
- その他の管理規則は特に問題ない。
それでも、あと15年は管理費の余裕はあるとのことで安心しました。ちなみに売り主さんは昔管理組合の修繕担当者だったようで、今の管理費は15年は変わっていないとのことでした。そりゃ、ちょっときついかも。
8、まとめ、購入への参考になったのか
結局、今回のHIで致命的な問題は見つからず、購入への背中を押してくれました。合計で9万円弱かかりましたが、価値はあったと思います。
今回の結果は売り主に渡そうかと思ったんですが(HIを受け入れてくれたので)、中野っちがそれは必要ないだろうとコメント。HIの内容は悪くなかったので、交渉の材料になるわけではないし、逆に売り主が強気になる可能性もあると心配されました。
さくら事務所のレポートは二重床と直床の違い、湯沸かし器のタイプ、電気配線のタイプなど、読み物としても面白いので、その点も自分への教育となりました。こちらにサンプルがあります。
HIを受けて、その後の流れは以下の通りでした。
- 3月4日
HI実施。その日に購入の決意をする。 - 3月6日
建物のインスペクションと管理インスペクションの結果が到着。 - 3月9日
売り主との約束では8日待ってもらえると聞いていた8日後、売り主に購入の決意を伝える。条件面は200万値下げ交渉していたが、当初の通り100万値下げのまま。このインスペクションは結果的には値段交渉には関係しませんでした。
ポイント
この売り主さんかなり強気で、ローン条項も外してくれと言われました(ググって下さい)。それならば、やはり100万ではなく、200万値下げしてくれと伝えるもダメ。これには中野っちも「かなりの強気で結構な金額の二番手がいると思います」とコメントありで、それならクリーニング費用位は負担してくれと伝えると、それもダメ。中野っちが、まさかの自分達の不動産会仲介手数料を5%下げますとオファーあり、それを受けました。
今回のまとめ
- 9万円の価値は十分にあると思います。ただ、一戸建てと違ってマンションは見られるところは限られています。一戸建てでさらにその効果が発揮されるともいます。
- 一級建築士所持のお兄さんを5時間拘束、レポートの作成もこみで6万円は安い。
- 管理インスペクションは3万円弱の追加ですが、建物のインスペクションと違って実際に人に会うことはなく、紙ベースのやりとりです。これはちょっと高いかなぁと思いました。
- オーナーとのHI実施の交渉、タイミングは完璧でした。ただ、これは売り主の理解と、中野っちが頑張って8日間の時間を確保できたのが大きいですね。