早朝おべんきょう

帰国子女なら小学五年生でも英検準一級受かって当たり前なのか?

水曜日, 6月 23, 2021

前回の記事では英検2級を受けて、割と楽勝で合格できたうちの娘さん、今回は欲を出して、英検準一級を受けさせてみました。「帰国子女なら受かるだろう」という人もいますが、結果はいかに???

1、英検準一級を受けるまでの経緯

日本に帰国して1か月後(小学4年生の9月)に二級を受けて、結果は楽勝でした(二次は辛勝)。その話はこちらから↓。

準一級については事前に過去問をやらせると、「全然わからなーい」ということでした。

ただ、将来的には早いうちに受けさせたいと思ってました(忘れないうちに)。しかし、父が試験の申し込みを忘れ、結局受けたのは今年2021年の5月でした(小学5年生)。不可抗力!

4月に受験申し込みをする段になって、今回はガチで勉強させないとダメだとおもったので、「受かったら7000円あげる」とお金でやる気を出してもらいました。

あと、本人のモチベーションという事で個人的に大きいと思ったのは、近くの塾に貼ってあった、英検合格者の写真。こんなやつですね(↓)。

 

近くの塾だと、英検2級は小学5年生が受かっていました(この子も帰国子女?)。ただ、小学生で準一級を受かっている子はいませんでした。ということを、いつものショッピングセンターの帰り道で、何度も何度も本人にいいました。本人も少しづつやる気にはなったようです。

小学5年生では普通は英検準一級はうからないよー。受かったらすごいよー!

なんとか受験させたいパパ

普段、帰国子女の娘さんにとって小学校の英語の授業は無双。学校では週2回英語の授業はあるようですが、ELTの先生が授業で誰も答えてくれないと、娘が指名されて「こんな簡単なのkinder gardenの英語だよね」と話しかけられているとか。準ジャパのパパからすると結構むかつく先生です。でも、今回は英検準一級ということで、本人にとってもかなりハードでした。

 

2、娘さんのスペック

前回も書きましたが、娘さんは帰国子女というやつで、略歴はこんな感じです。

  • 産まれは日本。現在10歳。
  • 生後半年で中東へ、現地のナーサーリーに通い"it's mine!" "Say sorry to me"(現地の子供が一番最初に覚える言葉を)を使いこなしていた。
  • 4歳で帰国、一回英語ほぼ忘れる。一年後、5歳でまた中東へ。
  • アメリカンスクールでG1からG5まで過ごす(当然、ペラペラになる。日本で言う年長から小4まで)
  • 帰国し、日本の小学校に通う。
  • 合計8年海外(残念ながら全部中東)。

これだけ見るとスペック高そうなんですが、海外に数年いたら子供はペラペラになります。そうじゃない子、聞いたことありません。

問題は国語力(いわゆる読解力だったり、論理力なんですね)。彼女は”あっぱらぱー”なので、勉強に興味もなく、中学受験なんてもってのほか。今回、英語を忘れないうちに英検を受けさせたく(高校受験が少しは楽になるかな、、、と)、今が瞬間最大風速だろうし、ということで受験のお誘いをしてみました。

結果、二級は余裕をもって合格。しかも、下記のように準一級合格レベルという結果でした(準一級合格が1792で、ちょうどそのスコア)。

その時の話は以下からどうぞ!↓

 

3、英検準1級の難易度

英検準一級の合格率は15%くらいとのこと(最後に発表された2016年のデータ、ソースはここ)。

でもね、合格率の数字なんてどうでもイイんです。内容やってみてください。クソ難しい。

単語だけ見ても、だいたい8,000-9000語くらい必要とのこと。これはセンター試験の語彙数(4,000-5,000語)、どころか難関大学レベル(6,000-7,000を超えているとのこと。実感としてはこれは当たっていると思おう。この辺はこのサイトこのサイトが詳しい。

じゃあ、逆にアメリカ人の語彙数はどのくらいか?というと、語彙数測定サイトのtestyourvocabというサイトにいい記事がありました。それによると以下のようになっています。

  • 4歳:5,000語
  • 8歳:10,000語
  • 大人:20,000-35,000語

うーん、4歳と8歳の語彙数は多すぎだとおもいます。

他サイトを見ると、いやそんなに多くないというサイトの方が多いので、この7割掛けくらいと思っていいかもしれません。たしかに、ネイティブといえども、4歳(5000語)でセンター試験(4,000-5,000語)を解けるとは思えません。

また、これが本当だとすると、いくら勉強して準一級(大学中級レベル)をとっても、日本の大学生はアメリカの10歳くらいなんですね。

また、TOEICのサイトによると英検準一級のTOEIC平均点は732くらいとのこと。個人的にはもっとあると思います。

ポイント

まぁ、結論としては準一級の難易度はネイティブの10歳(小学4,5年生)にとってはちょうどいいくらいだけど、日本人の10歳にとっては絶望的です。

  

4、勉強方法、勉強時間

英検二級の時、本人の集中力は過去問を2回解くのが限界でした(1か月は準備期間はったのに)。全く勉強はしませんでしたね。素晴らしい集中力です。

今回は以下をやらせました。

  • Smallworldという英語サイトで英検に強い先生の指導を受ける(週2回、25分ずつ)
  • 過去問(計6回)

  

Smallworldは個人の先生からオンラインレッスンを受けれるマッチングサイトです。先生は元学校の先生から、帰国子女、海外在住の背景を持つ先生と色々いて、子供向けの先生が多いです(生徒には社会人もいます、実は自分も英検一級のエッセーでお世話になりました)。その中から英検の指導を押している先生を探してみてください。

うちはCamblyというネイティブ先生に特化したサイトでも週一で受けています(英語の維持)。でも、今回は英検の英作文を教えて貰いたいので、このSmallworldで日本人の先生を探しました。指導してくれた先生はJ先生。25分間で1500円くらいとリーズナブルです。

 

実際の受験まで二か月あったので、ほぼ週2回で受けさせました。25分の授業で、やったのは英作文とリーディングです。

  • 英作文:
    この先生教えるの上手でした。ただし、高校生向けの教え方で、「まずは導入を書いて、その後具体的に事例を挙げて説明していきましょう」と言っているのがパソコンから聞こえて、娘さん本人は絶対日本語わかっていないだろうなと思いました。
  • リーディング:
    問題文を全部読むのではなく、パラグラフを一つ読み終わったら、右側のQ&Aを読んで答えるを繰り返す。間違いだと思う物は選択肢に×を付けて、消しちゃうとか(←でも、本人は何度いってもやらない)。

 

週一で受講しているNative onlyの英会話レッスンCamblyについてはこちら(↓)。

 

5、問題と対策

英検準一級がかなり手ごわいのは、親もわかっていました。我が家の戦略は以下の通りです。

 

その1、文法語彙

最初の25問はかなり難しい単語が出てくる語彙問題。戦略は簡単です、

 

これは捨てます。

 

教えられる人もいないし、絶対小手先ではわからないので。まさか単語帖買って勉強するタイプでもないし、そもそも単語帳に載っている日本語がわからない。

ポイント

だって、難しい単語は日本語で見ても理解できないので。”虚しい(vain)”、”見做す(deemed)”って意味、小学5年生でわかります?

 

その2、リーディング

次の16問はリーディングです。最初の6問が穴埋めで、残りの10問が長文読解の選択問題。ここでの一問の価値は、前半の語彙の問題と実は同等のようです。

娘は16問の前半の穴埋めは半分以上できたけど、読解はほとんど当たらないことも。

ここを合計で半分の8問以上とりたい!ということで、何度も過去問をやらせました。

ただ、本人にやる気と集中力が無いので、早く終わらせるために適当に終わらせる。見直しもしない。迷っても、深く考えない(「だってめんどくさいから早く終わりたかったから」と)。これでは練習にならないと思って、かなり厳しくいうも、逆効果。。。ただ、問題文もかなり難しいですよ。日本語で読ませてももちろんわからないので(特に漢字)、結局採点はするけど、解説は読まないのでただ解かせるだけ。

反省

日本語でもわかならいものを教えるのは実質無理です。Smallworldの先生ががんばってコツを教えてくれていましたが(上記の、パラグラフに対応して解いていく。絶対に違うのは×を付けて選択肢から外しちゃう等)、とにかく練習でそれをしないので身に付くはずがありませんでした。

  

その3、英作文

帰国子女、しかもアメリカンスクールでディベートやエッセーはやっていたので、あまり心配していませんでした。Smalworldの先生も、教え方は上手そうだったので。

ただし、問題文を見てびっくり。

Agree or disagree: Japanese companies should hire more foreign workers

2018年第三回

 

そもそも「なんで外国人を雇わなければいけないのか?」「なんで日本人じゃダメなの?」とか、まぁそいういう所は小学生には難しいですね。おそらく、通っている小学校の授業でもこんなことを日本語で議論することはないのでしょう。

この問題はギリギリいけるのかなぁと思ったけど、下記については「パパ、全然これわからない」と匙を投げられた問題。

Agree or disagree: High school education in japan needs to be improved

2019年第二回

 

これには父親も笑った。

まだ小学生で中学も、高校も行ったことないのに解けるはずがない。こういう問題は受験層を考えると悪問といえると思います。これなら、global warmingとか、Human rightsのほうがまだとける。正直、実際の問題のネタ次第でしょう。

 

その4、リスニング

ここを得点源にしないと受かりません。

彼女は英検二級の時はなんと全問正解でした。さすが、帰国子女!けど、今回は過去問をやらせるとだいたい8割。あれれ?とうことで、間違った問題を一緒に解いてみると(ここの段階で本人だいぶ嫌々)。理由がわかった。

例えば、「ビザの更新」に関する問題を話していて、「次に話し手が行くべきところはどこ?」という問題がありました。彼女も外国にいるときはビザを当然、更新していましたが、もちろん親がやってました。なので、それが何なのか知らない。だから、選択肢に"City hall"と"Embassy"とあっても、どちらが正解かわかりません。

こういう問題がちらほらあります。小学5年生にとって無理ではないですが、うちの子の人生経験では無理です。

 

試験当日

試験会場は大学での受験でしたが、周りは高校生くらいの人ばかりで、目立っていました、うちの娘さん。帰り際には、「あの小学生だっ」と高校生らしきお姉さんにコンビニで言われていたので、やはり小学生で準一級はあまりいないのでしょう。結果について「どうできた?」と聞くも、「yeah, pretty good」といつも通りの返事。

試験後ですが、まず、結果の前に下記の問題用紙見てください。なんと、右側の問題文のいくつかには×がついています!J先生に教えてもらった方法ですが、ちゃんとやっていたようです。

英作文もちゃんと文字数をカウントしている!いつもは適応に「はい、たぶん140語、たぶんね。」とかだったのに。これはまさかイケる???

ポイント

エッセーのテーマは何だったの?と聞いても、「oh, I forgot」。2級の時も全く同じで返答でした、平常運転です。さて、結果、見てみましょう。

 

試験結果

正直、全然合格点に達していないと思いました。結論からいうと惜敗でした。なんだかんだ、嫌々ながら勉強させてしまったのでこれで不合格は残酷だなと。

一方、正直努力してもいないので、落ちても当たり前かなぁと思っていいました。

最初は7000円にひかれたものも、めんどくささが彼女の中では勝ったようで勉強はとても頑張っている感じではなかったです。最後の2週間はスパルタで過去問解かせたのですが、「もう面倒だから受験しない」と言い出す始末。「それなら、受験料の1万円返してね」という会話に。最後まで頑張ってほしかったけど、とりあえずモチベーションは続きませんでした。

娘が学校から帰ってきても、全然結果を見るとはいわなかったんです。前日までは「明日、結果発表、7000円ゲットできるかも」と言っていたのに。

夜ご飯を食べた後に、父は知らないふりをして一緒に見ました。そうしたら案外、あっけなく「あ、落ちてる」と。それから、「また受ける?」と妻が聞くと、予想に反して、「うん、受ける」。「お金、欲しいから」と。どうやら、本人も落ちると思っていたらしい。勉強していなかったのは本人もわかっていたとのこと。

その一週間後に届いた紙を見ると、敗因等がわかりました。

 

  • 語彙は想像通り、あんまりの出来。でも、ここは無視。
  • そして、リーディング。文章題は半分以上できていて、目標の8問を上回る10問正解。結構よい。これ以上は望めません。
  • リスニングは目標の9割は無理でしたが8割でした。もう少しここが取れると思っていた。それでも、さすがにリスニングだけは合格者平均点を上回っていました。
  • ライティングは10点と、あと1点は増やせるかな。

おそらく、あと2問、長文問題か、リスニングがあっていたら合格だったのでしょう

思わずtweet。

 

まとめ

ということで、帰国子女で8年海外に住んで、アメリカンスクールで鍛えられていても、英検準一級はダメでした。もちろんちゃんと勉強しなかった娘さんの結果だったので、ちゃんと勉強すればいけるかもしれません。

次の受験(21年10月)に向けては、本人も勉強量が足りていないのはわかったようなので、なんとかモチベーションを続けさせて、良い結果になるようにします。ついでに父は英検一級を受けることに決めました。次は親子で合格を目指します(その結果は下の記事から↓)。

今回のポイント

  • 英検二級が余裕だったからと、準一級受けさせましたが、大いなる壁がありました。
  • やるなら、リーディングとライティングをしっかりやらせないとダメ。
  • 英語が喋れるだけではなく、論理的な力と、「日本の高校教育に必要なものは?」と言れても、答えられるスーパー小学生じゃないとダメでしょう。

ポイント

帰国子女界隈で良くわ入れるのは、10歳の壁というやつですね。

10歳を挟んで現地にいると英語をそこそこ物にして、かつ忘れないというやつですね。例えば5歳から10歳、または9歳から13歳の間、現地に居たら、その後その子は英語を忘れません。逆に高校とか、大学からその環境に入ると発音までは完璧にならないかも?というやつですね。今回、これもあってか、下の弟が帰国後数か月でスカーンと英語を忘れたのと比べると、確かに娘は英語を忘れていません。

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    • この記事を書いた人

    青うどん

    技術職、30代、パパ。 アジア、中東を中心に海外での仕事が多く、2020年に日本に帰国。 モットーはうどんと笑顔を忘れるな!

    -早朝おべんきょう