我が家にはカメがいます。お祭りの屋台とかでも見るようなミドリカメです。名前をプッチーといいます(実は後で触れるように英語名もしっかりあって、Putti)。
アブダビ在住中に息子がインターから日本人学校に転校する時に何かエサを探していて、息子は「カメが欲しい」と言い出し、近くのアクアリウム(魚屋さんだけど生きている方)で買いました。これが2020年3月くらい。
それから、我が家の水槽で子供3人に大事に世話をされ、かなり幸せだったであろうカメ。まぁ、帰任も近いし、いつかは別れがくるんだろうなとおもいながら、この半年後に修羅場がまっていました。。。
今回は中東はアブダビから日本へミドリガメを持ち帰るためにひどい目にあった二週間の記録です。アブダビの航空会社、行政との闘い。日本の検疫所、税関、はたまた環境省とのやりとり。まったく汎用性もなく、役に立つ情報ではないんだけど、万が一同じ境遇の人がいたらと思い、記録を残します。我が家ではこれで映画が撮れると本気で思っています。
プッチーが日本に飛ぶまでの我が家とお付き合いくだしさい!

9月2日出発14日前:全ては航空会社への電話で始まった
同年7月、日本への帰任が決まったため、家の引き払いや、日本での住居などで急ピッチで進めていたものの、このカメについては3つくらいのオプションを考えていました。
- 会社の同僚や、知り合いに譲る(数年前に一例あり)。
- ペットショップにもっていく(割と引き取ってくれるらしい)。
- 日本に持って帰る。
実際は1番についてはほとんど動いていなかったんです。
2番はペットショップに持って行って、「バイバイ」したあとに、店員のインド人のおっちゃんが、ごみ箱にポイとか、中華料理屋に持ち込んじゃう可能性もあり、ちょっとねーという話をしていた。
そしたら、いつの間にか3番しかなくなってしまいました。
妻がネットで情報をあつめていたけど、日本への持ち込みがダメなのかOKなのかわからないし、今はコロナだしということもあり、グダグダと後回しにして、後で触れるように猛烈に後悔しました。
日本行きのチケットの日程も決まったし、ということでアブダビの国営航空会社のEthihad(エティハド航空)に電話した(この時点でちょうど2週間前、9月16日に出発)。

10歳の娘に電話かけさせたけど、いつも対応くそ悪いエティハドでもビジネスクラスで子供相手だから、少しはちゃんとした対応してくれるだろうと思いながら、親は横で聞いている(電話はスピーカーオンで。)

カメにパスポート、health certificate?はぁ?ここで、娘に代わり、父親登場。
カメといっても5cmもない、赤ちゃんだし、その辺で売っているミドリカメだと伝えて、話を大きくしないようにしたつもりなんだけど、

・・・・・・・・。
「なんか面倒くさそうだね」と言う娘。
父は"政府が関係するからね"というEthihadのお姉ちゃんの言葉から、やばいなと感じてきた。延べ9年、この国で生活をしてきて、この国では物事が大きくなると、失敗することが圧倒的に多いことを生身で感じてしてきた。
ポイント
この国で政府がかかわる関係は、だれも判断してくれなくてたらい回しになり、とんでもなく時間がかかるか、結局うまくいかない。。。
ただ、EtihadのHPみても確かに、それっぽいことが書いてある。動物の輸出について。ってか、CITESって絶滅危惧種でしょ、うちのクソ亀はそんなんじゃないよ。。。

とにかく、近くの動物病院を探してみることにした。
ここから、2週間に及ぶ戦いが始まる。
考えてみよう
この時点で、どのくらいの苦労までなら、この手続きを進めるか?どのくらいの金額までならだせるます?是非、考えながら読み進めてみてください。原価は30DH(450円です)。
9月4-6日(出発12-10日前):動物病院への電話で判明した恐怖の手続き
EthihadのわかりにくーいHPを見ていると、獣医として何個か推薦する病院があったので、その中で一番近いAmericanVetというクリニックにメールを入れてみた。「Etihadで日本にカメを持っていきたいけど、何をすればいいのか?カメ、病院に持っていったら書類作ってくれる?」と。
後になって言えるのは、、、
アブダビ計10年弱の生活の中でもかなりの地獄を味わうことになる今回、AmericanVetを選べたのは唯一信頼できる道先案内人を見つけた気持でした。Etihadは〇ソだけど、そのク〇サイトの中で、このAmericanVetを紹介していたのは唯一のgood jobであったと噛み締めることになる。

この時点でも、「娘の教育のため」とか言って、娘にやらせていたが、後で父が100%コミットしないと全然だめになる。
金曜、土曜が週末で、日曜になってやっとAmericanVetからメールが帰ってきて、以下が必要だとわかった。
- Health certificate from a Local Vet stating the scientific name of the Turtle.
- Official Govt. Export health certificate from MOCCAE (Ministry of Climate Change & Environment).
- ついでに日本政府がカメを持ち帰っても大丈夫か確認して。
1番と2番はやっぱり必要なのか。。。Ethihadと同じことをいっている。でも、3番については妻が日本の成田検疫所(別機関が3個もある)のHPから、何も必要ないと確認済とスクリーンショット(以下が抜粋)を送った。ので、たぶん大丈夫っ。

しょぼい英語版はこちら。

さて、必要な書類を見てみましょう。
必要書類1、ペットの健康診断書(Health certificate)
内容としては旅行に耐えうる健康状態かということ、変な菌を持っていないかの確認らしい。AmericanVetは爬虫類専門の獣医さんはいないようで、アブダビ内にあるファルコンホスピタルにならいるはずだとアドバイスされる。
え、ファルコンホスピタルって、あの観光地のファルコンホスピタル?とびっくり。
アブダビの国民が大好きなファルコンのための病院で、野生でケガして保護されているファルコンや、お金持ちの国民から預かっているファルコンさん達は人間なんかよりもよっぽどいい環境で暮らしていて、観光用にもオープンされている。
必要書類2、政府からの承認書(Export health certificate)
これ、マジでわからん。AmericanVetが手続きのヘルプをしてくれるらしいけど、自分で役所にいかないといけないのか、どのくらい時間がかかるのかとか、お金はとか、この時点ではわからず。これは必要書類1の証書があれば、AmericanVetが作成をヘルプしてくれるとのこと。
なので、この時点で必要な物は以下だと確定した。
必要なアイテム
1、ペットの健康診断書(Health certificate)
2、政府からの承認書(Export health certificate)
正直、かなり面倒で、見通しもつかないから、もうカメはどっこかに逃がしちゃおうよ。と、娘に言うが娘は泣いてしまった。。。しかも、今年の七夕には日本に近々変えることが決まっていたので、こんなのもつくってるし、もうやるしかないか。。。

9月8日(出発8日前):名前をつけてやる。ファルコンホスピタルのハッピーな人たち

「あぁ、先週に車売っちゃったばかりなのになぁ、、、」と思いながら、タクシーでファルコンホスピタルにいく。カメも一緒だ。しかも、自分は半休とった。
前日に妻がファルコンホスピタルに電話して、事情を話すと、やっぱりカメを見れる専門獣医がいると確認できた。「政府からの承認書は私たちは作れないけど、健康証明書(必要書類1)は出せるよー」とAmericanVetが言ったことと同じことをいっている。よし、連れて行こう!
タクシーの乗り込むと、まず運ちゃんにカメを持っていることをはじめに伝えた(後で問題おきるとイヤだし)。エチオピアから来たという気のよさそうな兄ちゃんは、



20秒くらい笑っていた。自分も笑った。
40分くらいでファルコンホスピタルに到着、国道沿いとはいえ、ほぼ砂漠の中にあるので、帰りのために待っててくれることに(兄ちゃんもその方が助かるのでwin win)。
ここには家族で観光で来たかったな。9年もいたのに。実はファルコンホスピタルの中には一般の動物病院もあり、ここで獣医さんが見てくれた。まずは、カルテをつくらないといけなくて、名前(人間だけじゃなく畜生の方も)を書かなくてはいけない。
カメはプッチーだから、適当に"Putti"と書いておく。しばらくして、自分の名前と「Putti」と声がかかり、診療室に入れと。お、いきなり使われた。相手をしてくれたのはフィリピン人のお姉さん。診療室はほぼ人間のと一緒。





ちょ、カメが「ちゃんとご飯食べている?」かなんて気にしたことないよw。
受付の人からそうだけど、あまりにも気のいい人(ハッピーな人ばかり)で、この国でこういう人ばかりにあうのはびっくりだ。逆に自分がどれだけこういう人たちと遠い、職環境なのかかなり反省した。
サルモネラ、どうやってチェックするか気になったので、聞いてみると、違うお兄さん(唯一のは爬虫類専門医)がドヤ顔で、


日本の中学生男子は絶対知っている、この英語。この英語を聞いたのは中学以来初だけど、こんなとこで役に立つなんて。会話の中で爬虫類(reptiles)という英語はなんとなくだったけど、アナスは完璧に理解できた。
ポイント
アナスという単語を聞くのも、使うのも初めてだった、

あと、カメの科学名もわかった。予想通りミシシッピアカミミガメ(rachemys scripta elegans)だって。
健康診断はおわりだけど、サルモネラチェックの結果が出るのに2、3日はかかるとのこと。今日は火曜だから、木曜までにくるといいなぁと思う。そのあとだと、週明けだ。時間全然ねー。今日はとりあえず、お金を払って帰る。
あと、噂で聞いていた通り、性別は子供だとわからないとのことで、書類には"Unknown"と書いてある。年齢も青年期(6か月と書いてある、これは自分からの情報)。旅行の目的は「プライベート」だって。
家に帰って娘から、「ぷっちーのスペルがインド人っぽい。Puttiじゃなくて、Puttyがよかった!」と文句を言われる。知らね。とにかく450円の我が家のカメは正式に名前にスペルがついた、Putti。
「娘ちゃん、今日、プッチーはアナスで健康チェックされたんだよ」と言ったら、「え、お尻っ!?」とインターに通ってる、10歳の少女はアナスという単語を知っていた。
ポイント
初めての出費は200DH(診療費)とタクシー代150DH(1DH =30円)
9月8日:Etihadにメール
科学名がわかったところで、言われた通りEtihadにメールで名前を報告。この、カメ運ばれるか?と。あと、必要なドキュメントを改めて教えておくれ、と。
すぐに、そのカメなら受け入れ可能とコメントあるが、下記を要求される。
必要なモノ
1、Health certificate/Fit to Fly certificate(例の必要書類1)
2、Export permit from MOCCAE(例の必要書類2)
3、Approval Notification from Animal Quarantine Service in Japan(日本からの許可がひつようかどうか?)
4、Container must comply as per IATA requirements(カメを運ぶ時のコンテナ、荷作り)
1番、2番は前と一緒ね。えーと、3番は日本は何もいらないってスクリーンショットを渡したんだけどなぁー、前回のメールで、読めや(いつものこと)。
4個目はカメの荷作りね、確かにこれは考えないと。でも、ネットを参考にもうアイディアはある。一応、このメールに「IATA(航空会社の組合)による荷作りってどんなの??」と訊くも、「ドクターに聞いて」と返信。何もしらないわけね。このやり取りがあとで大きな問題をおこす。
必要なアイテム
1、ペットの健康診断書(Health certificate)
2、政府からの承認書(Export health certificate)
3、日本からの承認(不要、これは日本は何も要らないって言ってんだから要らないはず)
4、IATAに沿った荷作り、梱包(ネットを参考に用意するつもり)
あと、すべての要求事項を5日前までにメールで送ってと言われる。無理!ってか、早くても9月10日にやっと1番のドキュメント手に入って、週明け13日に2番ゲットだから、「絶対に無理!枠だけ確保して」と伝える。
9月9日:Ethihadから返信あり
5日前は絶対無理といっておいたエティハドからは「やっぱり2日前でいい」と連絡あり、やっぱりいつものブラフ。
あと、スクリーンショットで成田検疫所は「カメについては何もいらない」と英語の文でリンクもおくったのに、これは「税関だろ」と指摘合ったので、ファッ〇ユーと言いたいところ、もう一度、これは成田検疫所ですと、該当箇所をスクリーンショットで黄色にして送った。
あと、こっちの住所とか、向こうの住所とかの連絡先を書くフォームを送れと言われる。
9月10日:ファルコンホスピタルから健康診断書が発行
本日は木曜、日本でいうと金曜で週末前日だけど、午前中に幸運にもファルコンホスピタルから電話があって、サルモネラ検査結果は陰性だったと連絡。ネットでお金を追加で払い、pdfで証明書を発行してもらった。それをすぐにAmericanVetに転送。
そのあと、AmericanVetに初めて電話する。この担当者(スーパーマンと呼ぶことにする)、この人からのメール本文を見せたいくらいなんだけど、要点抑えて回答してくれる人間で、このタイプの人間はアブダビでは本当にいない。そんな彼のことが神様に見えながら、今後どうしたらいいか聞くと、とりあえず、次のステップの政府からのドキュメント(必要書類2)の手続きは今日はもう無理だから、週明けの日曜(日本でいう月曜)にやろうということに決まる。
ただ、オリジナルのドキュメントが必要だから、それは土曜日にファルコンホスピタルにとりにいって、オリジナルドキュメントとカメを日曜に病院に持ってくることにきまる。カメはいらないかもしれないけど、政府機関に申請に行くので、一応本人(本亀)も連れて行ったほうがいいだろうということに。
必要なアイテム
1、ペットの健康診断書(終了)
2、政府からの承認書(Export health certificate)
3、日本からの承認(不要、これは日本は何も要らないって言ってんだから要らないはず)
4、IATAに沿った荷作り、梱包
9月10日:Ethihadにもアップデート
一応、こまめにアップデートしておこうと、Etihadにも健康診断書が予定通りに手に入ったとメールを送り、必要書類2はもうちょい待ってねと伝える。あと、前日にもらった輸送申込書も書いておくった。輸送費は800DH(24,000円)以上とコメントあり。
これで一応、Etihadに対してのカメの輸送の仮予約となった。
運ぶ時のパッケージも送っておく。ネットでみた、ジップロックみたいなやつ(10DH、300円)に下にスポンジひく感じ。あとでドリルで穴開けないと。。。

コロナのせいでオフィシャルな会社での送別会はないけど、ちょくちょく飲み会もあり、カメの話が鉄板であった。特に獣医での「ごはんちゃんと食べてる?」と「アナスに綿棒ぶち込む」が。
9月12日:ファルコンホスピタルに原本をとりにいく。
アブダビ最後の週の土曜はファルコンホスピタルとなりました(まぁ、それまでいろいろと行きたいとこいったけど)。娘も暇だから取りに行くことに、タクシーで行ってもいいけど、バスで途中まで行ってみることに。


受付のおばちゃんたちが、「プッチー、無事に日本に行けるといいね」と言ってくれた。ありがとう。
サルモネラチェック、陰性でした。通常、カメはサルモネラが必ずいるとネットで見たけど、そうでもないんだね。
この日はドキュメント1が手に入って一息ついたので、家のベランダで最後のシーシャ(水たばこを)。左に見えるのがドリルで穴開け中のカメの輸送用容器(ジップロック)。

ポイント
バス、タクシー代が150DHくらい。ここまで合計は500DH(1DH =30円)。
9月13日:プッチー、初めてのお役所へ。
ここまでギリギリながらもやれることはやってきた。
これはいわゆる「人事を尽くして天命を待つ」ですね。
ココがポイント
これ、めっちゃポジティブに言うとアラブ的には「インシュアラー」といいます。
意味としては「アラーのお御心のままに、アラーが望むなら」。人間のできることなんて、たかが知れているという謙虚な意味で使われるときもあるけど、圧倒的多数は「オレ、それ知らね」ですね。基本的に人事を尽くさないことが多いので、多くを望めません。でも、今回は人事も尽くした。我がサイトの「不可抗力のある人生」というのもインシュアラーに大きく影響をうけています。
今日はついに政府からの許可証をゲットすべく、それを担当する行政機関にいきます(自分が行くわけじゃないけど)。
AmericanVetのスーパーマンによると、通常は申請書を出した当日に許可書が発行されるとのこと(犬、猫のためによく言っている。ちなみにカメは初めて)。この政府、MOCCAEといって、略さないとMinistry of Climate Change and Environment。長っ。
「環境と気候変動省」みたいな感じ?字からしてヤバいね。
ココがポイント
この国、超産油国の砂漠の真ん中にある国なので、生きているだけで相当の環境汚染をしているわけなんだけど(水の使用量は国民当たり世界一位)、すごい環境への意識は高い。けど、何もしないし、クーラーつけっぱなし、過剰包装、やっぱり生きているだけで環境破壊なんだけど、彼らの中ではそれはしょうがないらしく、環境保護とは両立するらしい。
何でもオンライン申請でいける国なので(便利)、個人でも許可書申請できるようなんだけど、途中で、下記のドキュメントをアップデートする画面があってあきらめた。

- A certificate of origin for the consignment, excluding the following consignments(原産国証明), unless they are required from the importing country:
-Animals of Gulf origin exported to the GCC countries
-Dogs & Cats
-Falcons - Copy of the import / approval permission issued by the importing country(日本から輸入同意、許可証), except for companion animals
- Any documents / reports for additional tests requested by the importing country
特に1番、カメの出生証明なんてねーよ!こういう「できないことを真顔で聞いてくるの」が、このアブダビだ。本当に嫌いだ。、まぁ、そういう国だね。2番目の日本からの輸入同意ってのも、日本のちょっとアレな英語サイトでいけるかわからず。
でも、スーパーマンによると、1番目はいらないことが多いので、なんとかなるとコメントがあった。ちなみにこのプロセスは987DHです(3万円)で代行してくれる。
妻が朝一で病院に健康診断書原本とカメを連れていく。昼過ぎにAmericanvetからアップデートがあって以下の問題が発生。
1、日本からの許可が下りているのか不明だからダメ。
いやー、お役所のやんごとなき方々は余計な心配をなさるわー。
「爬虫類は対象外で絶滅危惧種じゃなきゃ関係ないって、すげーしょぼいサイトの英語版がちゃんそう言ってるんだぞ!お前のしったこっちゃねー」といいたいところですが。
どうやらAmericanVetの担当者はちゃんと英語のサイトを見せたらしいけど、アブダビの担当者からその旨をレターで寄こせとか言われたらしく。溜息出る。許可が要らないっていってるんだから、日本側としてはもう何も必要ないわけで、わざわざ必要ないなんてレター出さないっ!
実は同日早朝にスーパーマンは日本の動物検疫局からのそれに近いメールはもらっていたんだけど、その内容がアレで。。。それは使わなかったということ(この厄介なメール、後で触れます。)
2、アブダビ商工会議所からの原産国証明書が必要
原産国証明書、やっぱり必要だったらしい。。。
スーパーマンによると商工会議所に証明書を発行してもらうようにお願いしないといけないんだけど、まずはカメを買った店のレシートがあればかなりイケると言われる(ようはどこで買ったのと、値段を知りたいらしい)。うーん、そんなんもらってない。「無ければFabricateする(偽装に近い意味で適当になんとかするという意味)」とも言われたので、迷わず「して」とお願いする。でも、あったらもっと楽に行けると。
コロナ禍でも生き残っていた店”Red sea aquarium”に電話して、状況を話すも、担当者から電話しなおすといわれても一時間こない(予想通り)。実際に店に行って、必死さをアピールするために娘とカメを連れて行った(娘にはもしもの時には泣けとまでいった)。

Red sea aquariumにいって、店番のお兄ちゃんに状況を説明する(まくしたてる)。反応はわるくない!でも、お兄ちゃんは「オレじゃ、ちょっと、、、」というかんじだったので、「そこのパソコンでインボイス出せるでしょ、ボスに電話して!」とまくしたて、なんとか発行してくれた。
ただし、気になったのが発行日はシステム上遡れないと。なので、しょうがなく購入は本日の日付。あと、ボスが居ないからお兄ちゃんがビビっちゃって、社印(カンパニースタンプ)押してくれなかった。まぁいいや。すぐにメールでAmericanVetに送る。これで、明日商工会議所にいってやってみると。
注意ポイント
ここで粘らなかったのは、失敗だったことが、後でわかる。。。
まぁ、コロナ禍でも店が残っていたし、なんとか書類が手に入って良かった。仕事中に抜け出して店まで行ったし、やることはやった。。。
必要なアイテム
1、ペットの健康診断書(終了)
2、政府からの承認書(Export health certificate)
3、日本からの承認(不要、やっぱり必要だった!これは日本は何も要らないって言ってんだから要らないはず)
4、IATAに沿った荷作り、梱包
5、商工会議所からの原産国証明(カメ購入時のインボイスはゲット)
ポイント
カメをAmericanVetまで持ってく、タクシー代が50DHくらい。必要書類2の手続きで987DH。ここまで合計は1,537DH(1DH =30円)。
9月13日午後:日本の縦割り行政と、レスポンスに驚く①
今回のクライマックスの一つ(もう一個修羅場がある)が日本とのやりとり。
日本のシステムは融通が利かないところもあるけど、正確さ、迅速さ(例外はあるが)、そして、誰(申請書も担当者)がやっても同じ結果(ここ特に重要、アラブと比べると)、というのは凄いと思う。だから、まさかその日本のシステムに悩まされるとは思っていなかった。
第六感が働いていたので前の週の9月11日には日本の成田空港の検疫所に電話して、「ミドリカメの持ち込みは本当に大丈夫だよね?」と連絡はとっていたのです。また、「日本側としては何も許可書要らないです」との旨のメール一本もらえませんか?と聞いてみたけど、これに対しては丁重に無理ですと言われた。確かにHPにああいう風にかいてあんだから、それ以上できないよね。
で、今回、日本の「佐藤さん(仮名)」がキーパーソンなんです。
え、誰の話かっていうと、前に触れたAmmericanVetのスーパーマンが12日に送ったメールに超絶面倒な返信をしてくれた人。それでは、その佐藤さんから13日早朝(日本からマイナス5時間がアブダビ時間)に来たメールを見てみましょう(↓)。ちなみにスーパーマンが12日に送ったメールは「CITESに登録されていないカメ、アカミミガメを日本に送りたいというクライアントがいるんだけど、許可書等必要ないか教えてちょうだい」という内容。ちなみにたった、半日で回答がきているのがさすが日本。

「日本側としてはアカミミガメに対する検疫は必要ありません」。
素晴らしい!!!これ以上ないくらいの簡潔さ!!!
これで終わり!なんだ、こういうメール送ってくれるんなら最初からこれすれわー。
と、おもったら、後半に続きがある。。。

要約、
「まぁ、うちはいいんだけど、次の2つの機関は何か規制があるかもしれないけど、そっちにも聞いてみてね(はぁと)」
はっ???他にも、税関と環境省に確認しろだってwww
今まで行政関係で苦労したことはない日本人である自分も(高校の時に文化祭でかき氷を出そうとしたら、保健所から「加熱するなら許可します」と言われたことくらいか)、「うわ、これめっちゃ縦割り!」と瞬間的に思ってしまった。こんなメールを持っていったら、アブダビのスーパー役所ガイは絶対に、「この二つの機関にも聞いたの?」と言われるし、確かにそれが筋だよ。。。
ココがダメ
これが悪名高い、タテ割り。まじでなんとかしてほしい。こんなの外国人できると思う?
AmericanVetのスーパーマンからも、お手上げという感じで、「リンク先のHPに問い合わせしてもらえないか?」と言われる。この時点でアブダビ時間昼過ぎ、日本は17時くらい。リンク先、日本語しかねー。これは外国人には嫌がらせだよ(日本人にとっても)。後で聞くと、この時点で今回は無理だろうと彼らはあきらめたらしい(最後にそれが明かされる)。
とにかく、連絡をしてみることにした(海外通話250分のプランでに入っていてよかった。。。)。関係機関は4つ。
タテ割りさん達
- 動物検疫所成田支所(Animal quarantine service:AQS)←佐藤さんはここの中の人!
- 成田空港検疫所
- 環境省←佐藤さんが余計なこと言った機関
- 税関←佐藤さんが余計なこと言った機関
1、成田犬猫検疫局(Animal quarantine service:AQS)
正確には動物検疫所成田支所だそうです。農林水産省管轄なんですね。
佐藤さんに電話して、事情を話して、頼むから第二パラグラフを削ってメールを送ってくださいと伝えようとしたが、いない。日本時間17時くらいだしね。明日は9時くらいにはいるとのこと。
ちなみにこちらは本来、犬猫を管理する局なんだけど、英語ではそこまでしっかりはかいていない。
2、成田空港検疫所
正確には厚生労働省成田空港検疫所。こちらは厚労省の管轄、that's タテ割り。
佐藤さんはここについては何も触れていません。
けど、カメは本来こっち、しょぼいホームページだけど、ちゃんとカメは何も手続きいらないよと書いてあるのはこちら。今回、佐藤さんからのメールにはこの機関は触れていなかったけど、ここからHPの内容に沿ってメール(”何も書類、手続きいりません”と)送ってくれれば、それが一番有効な一筆になると思った次第です。
お姉ちゃんに電話で事情を伝えて、HPに書いてある通りのメールを一本くれとお願いする。こちらからメールおくるので、それに返信してくればいいから。前回もお願いはしているんだけど、こっちの担当所が無理言っているので助けてほしいと率直にいってみる。
「内容は理解しました。私では判断ができないし、もう6時くらいで人がいないので、明日、こちらで相談して返答する」とのこと。
よって、メールを送っておく。
あと、下の彼はマスコットのクアランだって、Quarantineとかけているのね。イスラム聖書のコーランみたい、ちょっと身構えする。ちょっとこの笑顔とか、悪いことふっかけるときのエジ〇ト人みたい。

3、環境省
正確には環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室。なげー。
佐藤さんからのメールには外来侵略種(エイリアン)と言われるリストがあって、それに載ってないか確認してくれといわれる。超絶ちっちゃい文字でしか書いてない、PDFなんだけど、検索してもうちの畜生はひっかからないから!それにしても、我が家の亀ちゃんはエイリアン(外来種)なわけですね、かっけぇー!

でも、この紙をアブダビの役所に持って行っても、「調べるのメンドイ、日本からリストに載ってない旨のレターを寄こせ」と言われるの落ちだから、電話してみる。佐藤さんのメールに書いてあった侵略外来種に当てはまらないことをメールでほしいとお願いに。
しかし、電話つながらず、翌日、トライすることに。
4、税関
正確には東京税関成田税関支署。電話するも営業時間外だったので、問い合わせフォームからメールしておく。
はー、河野行革相が縦割り110番を募集したのが9月終わりだったので、メールするところだった。
あと、この日は人間様も健康診断ならぬ、PCRチェックがあり、自宅で受けました。アブダビはPCRの検査は人口比で世界一の件数で、デリバリーサービスもあったり。こ

この後、ホテルへ移動。娘にはたぶん無理だと伝え。妻にも、友達もう一回当たってカメをもらってくれる人いないかチェックしてと伝えた。今日は疲れた。。。]
9月14日早朝:日本の縦割り行政と、レスポンスに驚く②
もう、自宅は引き払って水も電気もでないので、ホテル暮らしとなったけど、朝4時に起きて(日本時間9時)日本への電話とメールチェックをする。
1、成田空港検疫局
前日は結構良い反応でしたが、返答待ってと言われた検疫局。佐藤さんのいない方、厚労省管轄の方、カメを扱っている方。
起きたらメールが来てました。

他の法律により、日本への輸入が規制、制限されている場合があります。
- 経済産業省(ワシントン条約)!?、
- 環境省(外来生物法)、
- 農林水産省 動物検疫所(水産資源保護法)、
- 農林水産省 植物防疫所(植物防疫法)!?
ゼロ回答どころか、経産省と植物検疫所まで増えてるわ!結局、タテ割りかよ!
お前、昨日、電話してお願いしているのか説明したのに、なんで逆に「ここにも聞いてね」とかってなるわけ?
縦割りのせいで、エンドレスの照会手続きになっているから、とにかく検疫所としては、何も特別なこと要らないってシンプルなメールくださいっていったのに逆に増やすw。嫌がらせじゃなくて、やっているとしたらどういう神経してるの?わざわざ、英文書いて、この通りに返信してとかいたのに!なんで、日本語での返答?
ちょっとこのメールにはマジで切れて、
「返信ありがとうございます。が、ゼロ回答ということですね、非常に残念ですが承知しました。」とメールを返しました。
本当はゼロ回答どころか、マイナスなので「こんな役所仕事、残念です。」と書きたかったのだけど。
2、環境省
ちょっと年配の一癖ありそうなおばさんが電話で対応してくれ、事情を話すと、「ミドリガメは輸入する人もたくさんいますので、地域の保健所に聞かないといけないので、ここに電話してください。番号は、、、」と言い出し、電話口をふさぎながら
「タ、ラ、イ、まわし、出たっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
と叫ぶ。すると、下の娘が起きた(こちらはまだ朝の4時事半。)
話を聞くと、それは千匹単位とかで輸入する人用の手順。うちはペットだって最初に言ったでしょ?しかも、リストに載ってないかどうかだけ(載ってないの知ってるから)、メールが欲しいって言ったじゃないですか。ひとまず、電話を置いて返答をまつ。そして、返答が。

まぁ、はっきりと「リストにミドリガメは載っていない」と書いてほしかったけど、それはならず。でも、このメールがあれば、アブダビ担当役人もめんどくさがってOKするか、少なくともこのリストをチェックしてくれる。なんとかOK。
2通目はそのリストのpdfがzipファイルでパスワードつきできた。霞が関の常識である添付ファイルはzipファイル、かつ、パスワードは別メールってのは都市伝説ではなかったようだ。
3、税関
税関からもメール帰ってきてました。満額回答です。ありがとうございます。
でも、間違って函館税関に送っていた(笑)。

この時点で佐藤さんが指定した2機関(環境省と税関)からは回答を得られました。これ、24時間以内(ほぼ12時間以内)の話ですよ?日本、この点はマジすごいと思った。マイナス回答のやつも、ひとまずレスポンスはあったわけで。。。この国(UAE)でこれは絶対に期待できない。
そして、肝心の、、、
4、成田犬猫検疫局(Animal quarantine service:AQS)
今、日本時間9時半にかけると、佐藤さん、ついにつかまりました!
事情を話すと「わかりました」と理解してくれました。すごい、他のところと違って話がはやい。そして、本当にメールがすぐにきて、後半部分のパラグラフが消えていた。

ありがとうございます。これで、完璧。このメールさえあれば、日本側の受け入れは問題ないね。どっからどう見ても。
朝起きた上の娘に、「たぶん、なんとかなる」と伝える。毎日言うこと聞かなくて、喧嘩ばかりしているので、「だから、君もあと二日間のアブダビ生活を、どうかいい子で過ごせ」と強く言う。
必要なアイテム
1、ペットの健康診断書(終了)
2、政府からの承認書(Export health certificate)
3、日本からの承認(一筆ゲットこれは日本は何も要らないって言ってんだから要らないはず)
4、IATAに沿った荷作り、梱包
5、商工会議所からの原産国証明(カメ購入時のインボイスはゲット)
しかし、日本さーん、日本語読めない人はどうするんだろうね、このプロセス?まず、どこに行けば許可が取れるのかわからない。しかも、わかってメール打っても、ああいう風に「〇〇にも聞いて」と言われてもどうにもならないよね。たぶん、他の国もこういうところはあるのかもしれないけど、これが正義と思っている節(俺たちはオレたちの仕事をしているだけ的な)はなんとかしないと。と強く思った。河野さんが頑張っているのを本当に期待してる。
9月14日昼:出発2日前
スタンプを押し忘れたのが命取りに
AmericanVetのスーパーマンには、佐藤さんからのメールと環境省と税関からのメールを朝一で送る。「これなら大丈夫」と即答あり。よかった、人事を尽くした。
まずは午前中に商工会議所にいって、原産国証明をもらってくるので、それが終わったらカメを取りに来て、またMOCCAEに連れて行くと。
この時点ではスーパーマンもなんとかなったという雰囲気。ってか、今日、もう出発実質二日前だからね。
そして、、、
昼になってスーパーマンから電話がきた。商工会議所にいって、書類を作ろうとしたが、昨日渡した魚屋のインボイスは店のハンコが押してないからダメだって言われたわれたとwどっかの国みたい。
また、会社を抜けて、魚屋にいって、ハンコを押してもらった(ほぼ無理やり)。これをすぐにスキャンして送るが、もう商工会議所は今日のお仕事は終了(まだ13時半w)。というか仕事をしたくないとのこと。

Etihad得意のどんでん返し
Eihadは最初は五日前には必要書類全部出せといっていたけど、絶対無理と言ったら2日前には出してとのことだったので、今日が実質二日前の締め切り。でも、今時点でまだドキュメント取得できていないということで、一応、メールを入れておく。そうしないと、自動で二日前に書類来なかったからキャンセルしたとか言い出すので。
それと、Etihadには一番最初のメールから、何時までに、(空港の)どこに行けばいいのか?とメールしたけど、のらりくらりでやっと連絡着て、5時間前までにカーゴターミナルに来いとの連絡が。それとパッケージについて、大きさを聞かれていたので、下の写真を送っておいた。

そしたら、いまさらIATAに沿ったパッケージはこれだとの例が写真付きで指示がきた。ってか、きっとIATAの本に載ってたやつのスキャンのはず、初めからこれ送れや!

なんじゃこりゃ。
全然わけがわからないので、「もう獣医さんにこの写真でOKと確認した(本当はAmericanVetには爬虫類の専門医居ないのでパッケージについてはたぶんOKとしか言われていない。ってか、カメのアレンジは初めてだったらしい)」とメールする。
「お前、一番最初のメールで『IATAの荷作りって何?』ってきいたら『獣医に聞いてみて』と言ってただろ。これが今考えているやつで問題ないはずだとメールを打っておく」。そしたら、横に穴をもっと開けろと。わかりましたよ!
あと、上の図のように外箱が必要だとコメントあったので、めんどくさいなぁ、と思いながらもペットショップでこれを見つけて、唾をつけておく。空気穴もあるし、この中にジップロックいれて、バスタオルで固定するか。
メールで、「これにする」と写真つきで連絡もしておいた。これでパッケージについては終わった(と、思っていた。)

ホテルに戻って、最後の晩餐をした。明日は夜7時にはホテルを出発して空港へ行くので、今日が実質最後。妻にはやっぱり、貰い手必要かもねというと、仲の良い奥さん仲間がすでにOKしてくれた。子供たちの大好きなこの畜生をなんとか持ち帰りたい。

必要なアイテム
1、ペットの健康診断書(終了)
2、政府からの承認書(Export health certificate)
3、日本からの承認(一筆ゲット)
4、IATAに沿った荷作り、梱包(ちょっといちゃもん付けられてイヤな予感)
5、商工会議所からの原産国証明(カメ購入時のインボイスはゲット)
9月15日:運命の当日
出発便は9月16日だけど、9月16日の早朝の便(01:15)なので、実質、今日が最終日です。この二週間、まじでカメごときに時間も精神もお金も使われたけど、これで最後。
人事尽くしました。インシュアラーです、本当に。
こんなに清々しく、インシュアラーを言えたのは人生初めてかもしれません。9月入ってからの2週間は意識してインシュアラーをいうようにしてました。
これで、MOCCAEから許可でなかったらもう諦められます。
最近、オフィスで頻繁に別室に行って日本に電話したり、「Turtle」という単語を使ってEtihadと喧嘩しているから、現地スタッフも何をやっているか気づいているんだけど、「私ならこっちにいる亀は直前に捨てて、先に送ったことにして、日本で新しい亀を買ってすり替えちゃうよ。お金考えてもばからしい」と発言。確かにごもっとも。でも、そんな子供だましにひっかかる歳でもないし、ここまで来たらもうあきらめたくないんです。
輸出証明書取れた!
そんで、昼過ぎにスーパーマンから来て、メールで商工会議所はOK。原産国証明取れたと。
今、このブログを書いてて、改めて内容を確認したんだけど、よく見ると、輸出者と輸入者が載っているドキュメントで、輸出者がカメを買った魚屋さん(Red sea aquarium)、輸入者が自分になっている(笑)。
なんかあったら、魚屋さんにも責任がおよんじゃうんかな。。。スーパーマンも前言ってたように、完全にFabricate(捏造)したな。かなり強引にインボイス作らせちゃったから、魚屋さんにはちょっと悪いことしちゃったと思う

その後、昼すぎにプッチーがホテルからピックアップされて、MOEECCへ。日本の佐藤さんからのメールでアブダビ官僚さんも満足。
ついに証明書発行。やったよ、神様、仏様(アラーを入れるかは迷うw)。
ってか、性別、ちゃんとunknownって、ファルコンホスピタルからの書類には書いてあったのに、Mixedになっている。なんだよ、それ。なんでもありだよ、アブダビ。

発泡スチロール?
ただし、昨日メールで送ったカメの荷作りについて、昼頃にEthihadからクレームが。「このままでは許可できない」と。昨日、送った猫用のやつはデカすぎる。サイズだけじゃなくて、そもそも違うと。
怒りながらEtihadに電話、こちとら今日は会社最終日で、挨拶とかめちゃくちゃ忙しいんだよ。Dont play with me!


で、来たのが、これ
↓
↓
↓
↓
↓

っぎゃ!え、なにこれw?
こんなの用意できるわけねーだろ。きょう出発だぞ!ってか、昨日のと全然違う!!!ってか、うちの亀は5cmもねーよ。




生協で売ってねーよ!

安定のEtihadクオリティー(この航空会社がいかにクソなのか現地の日本人に聞けば山ほど情報があるはずなので、後程機会があったら披露したい。)
この時点で14時。会社も最終日だったので、挨拶を済ませて15時過ぎには帰る。これから、娘を連れて発砲スチロールを探しに行く、やるっきゃない。4点くらい生鮮食品店を回るもない。魚とか売ってるとこならありそうだけど、確かに普段からあんまり使ってない。外は40度以上ある、熱い。泣きたい。娘は父親がいつになく必死なのでビビってる。
以前、キャンプ用にちょうどよい大きさの発泡スチロールも持っていたんだけど、それは家におきっぱなし(捨てるつもり)でホテルに移動しちゃった。家に戻って、ウォッチマン(管理人)に事情を説明するが、マスターキーはない。部屋に入れない。なので、無理やりベランダから入る。しかし、あるはずの場所に無かった(さらっといっているが、屋上からベランダに入るのに,、ジャンプするか迷った挙句、特大な脚立で降りた、かなり無理した)。
誰かに直前にあげちゃったのかもということで、妻がそれっぽい人に連絡すると、たまたま同じようなものを持っている人がいてタクシーですぐに取りにいく。実はこの人、無理だった場合にカメをもらってくる人だった。本当にありがとう。
2時間はかかった。
本当は電気やガスのデポジットを回収しに行くつもりだったのに(4万5千円は失った)。結局、この写真をスマホでEtihadに送ったらOKでました。

ココがダメ
結局、なんで発泡スチロールが必要なのはまじでわからなかった。それでも、逆らえない。
あと、空港に5時間前に来いと言われていたけど、3時間前でもいいんだろうと思っていたら、「5時間前に来なかったら保証しない」と言われる。絶対、これもブラフと思っていたが、ここであいつらの機嫌一つでダメになったら浮かばれない(アラブではそういうこと何回もあった)。わざわざ会社の見送りの時間も変更してもらって、5時間前に到着できるようにすることに。皆さんもすいませんでした。
9月15日夜:空港へ
会社の皆さんには予定時間の夜8時の見送りを7時にしてもらいました。すいません、カメごときに!
ある家族にはミスコミュニケーションで時間が伝わっていず、申し訳ないことをしました。
でも、皆さん、最後に気になっていたカメを見れて、「あぁ、これがプッチーね」と。みんな名前を知っている。

6時半に娘と二人で貨物ターミナルへ。地図もらったけど、全然わからない。タクシーの運ちゃんが道行く人に聞いてなんとかたどり着く。

ここでは拍子抜けするほど、パッケージについては何も聞かれず(笑)。
逆に日本は受け入れ許可はOKなのか?とか、そっちをやり直すのかという感じ。佐藤さんからのメールがあったので、それを見せる。

直前まで娘がカメを気にしてる。なかなか蓋はできない。

手続き自体は1時間もかからず、ついに貨物ターミナルの警察にチェックを受けて、お見送り。この暑さと湿気でやってけるかなぁと本気で心配になる。

さぁ、お別れ。次、箱をあけるときは日本だ。。。
念には念を入れて、発泡スチロールに空気穴をいっぱい開けてくれた係の人たち。ありがとう。エサはほとんどあげずに、水だけ少しいれた。タオルは箱の中でひっくり返らないようにする緩衝材。湿気が心配だ。茹でカメにならないといいが。。。

あー、いっちゃったよ。

ポイント
Etihadへの輸送料は971DH。このほかにもよくわからない180DHを払った。ここまで合計は2,688DH(1DH =30円)。
9月16日:日本へ帰国
成田に到着、父は2年ぶりの日本。牛丼、食べたい。
ビジネスクラスでご満悦だった子供たちも、日本に帰国後はPCR検査で号泣でした(唾液検査がうまくいかなくて、PCRになった下の娘)。日本時間18時到着。

無事、全員陰性で預け荷物のところへ。自分たちのスーツケースを全部受け取ってもカメがでてこない。
不思議に思い、係の人に聞くと、どうやらここで受け取るんじゃなくて、空港出た後に違う所にいかないといけないらしい。そういや、Etihadから受けついたJAL系の会社からカメの受け取りについてというメールをもらったいたと思い出した。行くべきところはJALカーゴサービス。
「レンタカーや家族のお迎えがありますか?」とお姉さんに聞かれて、「あ、ハイヤーが来ています」という。それでも、お姉さん、確認のため、ハイヤー乗り込むまでついてきていた。これ、みんなにやってんだな。電車とかの公共交通機関はつかっちゃいけないからね。
会社が用意してくれたハイヤー(二週間の自主隔離のための宿泊地への移動用)で、JALカーゴサービスへ行く。これがまた面倒。JALカーゴでは、「あ、カメちゃんの方ですね?」と言われるも、書類を渡されて、それを隣の建物の税関にもっていって、手続きして、税関からハンコを押してもらってから、また来てくれと。
税関に行って手続き。
まず、CITES(絶滅危惧種)に登録されていないか?とか言い出すので、めんどくせーと思いながら、環境省とか佐藤さんのメールを見せる。持っててよかった。そしたら、税金がかかると。「え、税関は問題ないって税関からメールもらってる」と言ったら、「輸入できるのがOKなのと税金かかるかは別」とのこと(手荷物扱いからならタダなんだけど、別送便扱いなので税金対象とのこと。でも、結局30DH、900円なのでタダだった。この値段の書類もお魚屋さんのが役に立った)。この手続きが1時間くらいで終わる。結構、かかる。早く箱を開けて、出してあげたい。
隣ではインド人のカーペット業者に詰問する税関係員と通訳をするイラン人(「このカーペットはこの人のトモダチから買ったから、ショルイ無いんだって」と通訳している)。すげーな、この空間。しかも、24時間体制なんだね、さすが、日本の税関。

その後、JALカードサービスに1,315円払う(やっとに日本円になった)。

晴れて箱が受け取れた。。。
持ってきてくれたお兄さんも興味津々なので、箱を開けるとこを横でずっと見てる。


右上のラベルにあるように、この中に入っているカメは生きているカメです。死んでる、または茹でたカメではないはずなんです。

そうそう、入っているのはlive turtle。茹でカメではない。
現在時刻は19時。
カメのオーナーである息子も、一番take careしていた上の娘も長旅(ビジネスクラス)と時差で寝ている。
もし、ここで死んでいたら、本人たちには見せない方がいい。不可抗力である。
どうなっているか。。。。。

生きてた!!!
神様、ありがとう(一応、アラーも入れておく。インシュアラー。)
すぐにコンビニで買ってあった、「いろはす」を上げる。これが、日本の水だ、おいしいだろ。
まとめ
なんとかなったわけですが、マジでカメに振り回された二週間でした。不可抗力です。
見て(↓)、この書類の山。全部で15枚くらい。しかも、一枚一枚、何がなんだかマジでわからない。カメの名前はPuttiだし、性別はミックスだし。

今回の件で、大いなる時間、心労、お金がかかりました。いつも通りのアブダビクオリティーのトラブルの一方、AmericanVetやファルコンホスピタルという普段、なかなか当地では出会えない人にもあえました。そして、日本の縦割りぶり。
今回、何度も無理だと思っても、諦めなかったこと、時には駄々をこねてネゴしたのは、この9年間にインド人、エジプト人、アブダビ国民とめげずに仕事をしてきた鍛錬の結果です。
ココがポイント
カメを持ち帰れたのはアブダビ9年弱の、集大成です。心から人事を尽くしたと言えます。人命がかかわるいつもの仕事くらい頑張りました(まぁ、カメの命はかかっていた)。
まぁ、一番の反省としては、、、
ココがダメ
とにかく、飛行機のチケットを取った後しか手続できないと思っていたことがアホだった。ってか、搭乗予定の便とか、名前とか聞かれなかったら、全然いいんだ。二週間という時間は最低限で、会社を休んだり、中抜けしてなかったら完全に無理だった。
何度も、こんなちっちゃいカメはスーツケースの中に入れて持ち帰ってしまおうと思った。ペットボトルを半分に切って、その中にカメをいれて、それより一回り大きい、靴箱に新聞紙をいれてやろうとか、具体的なことまで考えていた。
ただ、(ほとんど人のいない)成田空港の機内荷物受け取り所で、平常通りでリストラされていない訓練犬が、ご丁寧に一家族一回必ず、荷物チェックをしているのをみて、本当にやんなくてよかったと思った。だって、子供の目の前でカメ取られたら、そして、その後を考えたら言葉にならないから。
次の移動に備えて、健康診断書や商工会議所のドキュメントは残します。うちのカメは血統書つきです(違うか。)
ポイント
1、行動は最低一か月前に。とにかく飛行機の日程決まる前から連絡しておくべき。
2、購入時の記録をなんでもいいから作ろう。たぶん、日本語で作ってあったら大使館で翻訳(Attest)して来いと言われるかもしれないけど。
3、子供には最悪の場合のケースがどうなるのを説明しておくべき。
あと、最後にいえるとすれば、、、
ココがポイント
カメなんて、買うな!
最後に、お世話になったAmericanVetのfacebookに載った我が家の子供たち。。。やっぱり途中で彼らも諦めていたって(笑)。

こんな記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。どなたかのお役に立てば。